この記事を要約すると...
リビングで家族とテレビを楽しむ時間は貴重ですが、好みの番組が異なっていたり、自分の部屋でゆっくり見たかったりすることもあるでしょう。その際、テレビ端子を増設することで、好きな場所で快適にテレビ視聴を楽しめます。 しかし、自分でテレビ端子を増設できるのか気になる方もいるでしょう。今回は、テレビ端子を増設する方法や、受信状況に不具合が生じた場合の対処法を紹介します。
テレビ端子増設のメリットは?
テレビ端子を増設すると、テレビ視聴の自由度が向上し、テレビを置く場所の選択肢が広がります。家族と番組の好みが異なる場合でも、寝室や子供部屋、書斎など、自由な場所で家族それぞれが見たい番組を楽しめるようになります。
また、視聴環境の美観を整えるというメリットもあります。テレビ端子がある場所にとらわれずにテレビを設置できるため、家具の配置や動線を考慮しながら快適な部屋づくりが可能です。
今まで使用していた端子から離れた場所にテレビを置く場合でも、長いアンテナケーブルをはわせる必要がありません。配線がすっきりして、見た目が美しくなるだけでなく、つまずいてしまうリスクも軽減できます。
また、テレビ端子を増設してよりアンテナに近い位置に設置できると、信号の劣化を抑えられるため、安定した映像を楽しめるでしょう。
テレビ端子を増設する際の費用
テレビ端子の増設費用は、1万円~6万円ほどで、価格帯は業者や設置場所の条件によって変動します。特に、設置場所に電源コンセントがあるかどうかで費用は大きく異なります。
例えば、増設を希望する部屋にコンセントがあれば、電気工事の手間が省けるため、比較的安価に済む傾向があります。
一方、コンセントがない場所への設置となると、新たに壁面に穴を開け、アンテナ線を引き込む作業が必要です。工事の規模が大きくなるほど、追加料金がかかる場合もあります。
さらに、壁の材質がコンクリートの場合は、通常の壁材に比べて工事が困難となり、一般的な相場よりも費用がかかってしまうこともあります。建物の構造によっては、工事費が10万円を超えてしまう場合もあるため注意が必要です。
多くの場合、テレビ端子の増設費用は1~6万円の範囲内に収まりますが、コンセントの有無や壁の材質といった条件によって価格が変動します。そのため、専門業者に依頼する際は、事前に見積もりを取ってから検討することをおすすめします。
テレビ端子の増設はDIYでもできる?
テレビ端子の増設費用は、できることなら抑えたいと感じる方もいるでしょう。電気工事の知識と技術があり、安全に配慮できる場合、DIYでの設置作業は可能です。しかし、自分でテレビ端子の増設工事を行うのは、一般的にみて難易度が高いといえるでしょう。
工事するには、ただ単に配線をつなぐだけでなく、適切な設置場所を選ぶために、壁の中にある柱の位置などを把握する必要があるからです。
また、専門のアンテナ工事業者は住宅の図面などを参考に、壁内部の構造を理解した上で最適な配線ルートを計画します。
例えば、壁内部での配線が難しく、配線が複雑に絡まってしまうときは外壁に沿わせて配線し、天井裏を経由させることで、見た目を損なわずに配線を整理する方法がとられることもあります。配線完了後は、コンセントプレートを取り付け、テレビ端子を増設するというのが一般的な流れです。
これらの電気に関わる作業は、感電や漏電といった危険がともなうため注意が必要です。そのため、DIYでのテレビ端子増設は、電気工事の知識や経験がない方には難しいかもしれません。
なお、テレビ端子の増設そのものは、特定の資格がなくても行うことはできます。しかし、電気コンセントと一体型の壁端子を取り扱う際には、第二電気工事士の資格が必須です。
テレビ端子を増設する手順
テレビ端子を増設するには、住宅の配線知識や工事技術が必要です。ここでは、安全に作業を進めるための基本的な手順を解説します。
なお、作業には下記の道具が必要になるため、事前に揃えておきましょう。
・分配器
・テレビ端子のプレート外枠
・テレビ端子のプレート内枠
・直列ユニット(テレビ端子)
・C型はさみ金具
・L型プラグ
関連記事:「テレビの分配器とは?分波器・分岐器との違いや種類、選び方も解説」
ステップ1|壁に穴をあける
すでにテレビ端子がある場合は、そのちょうど裏側の位置に新たな開口部を設けます。まず、ドリルで数か所に穴をあけましょう。その後、キリなどの工具を使い穴同士をつなげるように広げていくと、比較的スムーズに作業が進められます。柱や間柱を切らないように、十分注意しながら作業しましょう。
ステップ2|既存のテレビ端子のプレートを外す
現在取り付けられているテレビ端子のネジを、ドライバーを使って取り外します。その後、接続されている同軸ケーブルを引き抜きます。取り外したネジは、紛失しないように、安全な場所に保管しておきましょう。
ステップ3|同軸ケーブルを分配器に接続
壁内部にある同軸ケーブルを、新しい分配器に接続します。接続後、分配器は壁の中に収め、そこから伸びる1本のケーブルを既存のテレビ端子へ、もう1本のケーブルを新たに設置するテレビ端子へとそれぞれ接続します。
作業中に壁の開口部から部品などを誤って落とさないよう、細心の注意を払いながら進めましょう。小さな隙間から落下した部品を取り出すのは難しく、最悪の場合、取り出せなくなる場合もあります。
ステップ4|プレート内枠を壁に取り付ける
直列ユニットをプレートの内枠にはめ込み、C型ハサミ金具とプレート内枠を一体化させます。上下のネジを軽く取り付けた状態で壁を挟み込み、位置が適切であることを確認しながら、ドライバーでしっかりとネジを締めて固定します。
ステップ5|プレートを壁に取り付ける
プレートの外枠に付属している固定用フレームを壁に固定します。配線が正しく接続されていれば、問題なく映像は見られますが、見た目の美しさを保ちたい場合は、カバーが床面に対して垂直になるように調整することをおすすめします。取り付け位置が確定したら、ドライバーを使ってネジを締めてください。
ステップ6|プレート外側のカバーをはめる
最後にプレートの外側のカバーを取り付けて完了となります。テレビにはさまざまな接続規格の端子が搭載されています。例えば、HDMI、VGA、コンポーネント、コンポジット、地上波アンテナなどです。
テレビ端子を増設することは可能ですが、新しい端子の規格が既存のテレビで対応しているか確認し、互換性があることを確かめてから購入するなど、慎重に計画を立てることが大切です。
また、適切なアクセサリーやケーブルを選び、品質や製品保証への影響も考慮する必要があります。作業を行う際は、必ずテレビの取扱説明書を確認しながら、メーカーが推奨する手順や注意事項を守ってください。
不安な場合はプロに相談するのがおすすめ
テレビ端末は自分で増設できますが、注意すべきこともあります。ここでは、テレビ端末を増設する際の注意点などを詳しくみていきましょう。
テレビ端末を増設する際の注意点
テレビ端末を増設する作業は、電気工事に関する専門的な知識と、それにともなう慎重な取り扱いが求められます。特に、配線作業やコンセント本体の設置方法を誤ると、火災の原因になりかねません。また、不適切な工事はテレビの映像の品質低下を招くおそれもあります。
テレビ端子を増設すると、電波を分配するため、各テレビへの電波供給が滞る可能性があります。その結果、テレビの映像に細かいブロック状のノイズが現れたり、特定のチャンネルが受信できなくなったりなどの不具合が生じる可能性があるのです。
また、壁の構造や材質によっては、工事に手間や時間がかかる場合があるため、注意が必要です。
不安な場合はプロに相談しよう
テレビ端子はDIYでも増設可能ですが、配線や壁の加工が必要なため、初心者には難しい作業です。工事をするには、豊富な知識や技術が求められます。
テレビ端子の増設工事は、住宅の状況や電波受信強度によって施工方法が異なり、工夫しながら施工するなど柔軟な対応が必要です。
そのため、業者に依頼する際は、事前の調査を丁寧に行う業者を選ぶのがおすすめです。「Go!Go!アンテナ」は、テレビアンテナの修理や新規設置を行う地元密着型の業者で、スピーディーな対応が期待できます。DIYに不安がある場合は、専門業者への依頼を検討してみるのもひとつの方法です。
まとめ
テレビ端子を増設するメリットは、テレビ視聴の自由度が上がり、見た目もすっきりすることです。テレビ端子の増設には、電気工事の知識や技術が求められます。
設置がうまくいかなかった場合、火災の原因になったり、映像の品質が落ちたりする可能性があります。DIYでも対応できますが、不安な方は専門業者へ依頼しましょう。
テレビアンテナの端子を自分で交換したい方は、こちらの記事が参考になります。