この記事を要約すると...
無線化が進む時代、テレビアンテナも無線化できるのではないかと考えている方もいるでしょう。アンテナ端子がない部屋でもテレビを見たい場合など、無線で接続してテレビが見られたらうれしいですよね。今回はテレビアンテナを無線で飛ばすことができるのか、注意点と合わせて解説します。
テレビアンテナを無線で飛ばすのはアリ?
テレビアンテナを無線で飛ばすことについて気になる方も多いのではないでしょうか。結論からいうと、地デジの電波をそのまま無線で飛ばすことは法律で禁止されています。しかし、受信した映像データを無線化して送ることは可能です。それぞれの方法について詳しく解説します。
【注意】地デジアンテナを無線で飛ばすのは違法!
地上デジタル放送(地デジ)の電波を無線で飛ばすことは「電波法」によって禁止されています。地デジの電波は、470~710MHzの周波数帯域を使用しており、この電波を無線で送信するためには電波免許が必要です。
もし免許を持たない個人や事業者が無線で地デジの電波を飛ばすと、電波法第110条に基づき、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。また、違法であるため、市販されている製品には地デジ電波を無線化するための機器は存在しません。
法律を守るためにも、地デジの電波そのものを無線で飛ばすことは避けましょう。
映像データを無線化するのはOK
地デジ電波を直接無線化することは違法ですが、一度受信した地デジ電波を「映像データ」に変換し、無線で送信することは合法です。この方法では、Wi-Fiルーターや無線LANを使用して、映像データをPCやテレビに送ることができます。
例えば、地デジチューナーとWi-Fiルーターを接続し、ルーターから無線で映像データを送信することで、部屋の中を配線で埋め尽くす必要がなくなります。さらに、電波が届く範囲内であれば、テレビをどの場所にでも配置できるのもメリットです。
無線化を考えている場合は、このように受信した地デジ電波を映像データに変換して無線で送る方法を検討すると良いでしょう。
映像データを無線化する方法
映像データを無線で飛ばす方法は、現在の家庭用ネットワーク環境を活用することで実現できます。無線LANを利用することで、スマートフォンやタブレットだけでなくテレビでも快適に映像を楽しむことが可能です。下記では具体的に必要なものや手順を紹介します。
映像データを無線で飛ばす際に必要なもの
無線化を行うために必要な機器は下記の通りです。
・チューナー内蔵のレコーダー、もしくはメディアコンセント
・無線LANルーター
・映像を受信させたい端末(無線LANに対応しているもの)
なお、自宅で無線LANを利用しているか確認するには、スマートフォンの画面上部にある扇形の電波マークを確認してください。このマークが表示されていれば、無線LANに接続されています。
映像データを無線で飛ばす手順
映像データを無線化する具体的な手順を下記にまとめました。
1.無線LAN環境を確認します。自宅に無線LANがない場合は、無線LANルーターを購入し、接続設定を行いましょう。
2.チューナー内蔵のレコーダーやメディアコンセントを壁のアンテナ端子に接続した後、無線LANとの接続設定を行います。
3.無線LAN対応製品をネットワークに接続します。Wi-Fi設定画面から自宅の無線LANルーターに接続することで準備完了です。なお、スマートフォン・タブレットは専用アプリのダウンロードが必要です。
4.設定が完了したら、映像データが再生可能か確認してください。
なお、無線LAN非対応のテレビを使用している場合でも、無線LAN子機を利用することで無線化が可能です。ただし、製品が無線LAN子機に対応している必要があるため、購入前にテレビの型番を調べるか、メーカーや販売店に問い合わせて確認してください。
そのほかの無線化の方法
上記以外にも、工事を必要としない方法や、アンテナを使わない方法もあります。
室内用テレビアンテナを活用する
「家の好きな場所でテレビが見られれば良い」という方には、室内用テレビアンテナがおすすめです。室内用テレビアンテナは、屋外にアンテナを設置する必要がなく、簡単に電波を受信できる便利なアイテムです。
室内用テレビアンテナには下記の特徴があります。
・工事が不要な据え置き型で、テレビと接続するだけで使用可能。
・室内に設置するため、雨や風による故障のリスクが少ない。
・建物の構造や周辺環境によっては、電波を受信しにくい場合があるため、購入前に電界強度を確認することが重要。
また、設置場所によって受信状況が変わるため、設置前に自宅の環境に合ったアンテナを選ぶと良いでしょう。室内アンテナの選び方は下記記事にて解説しています。ぜひ参考にしてください。
「室内アンテナのおすすめ5選!選び方や快適に視聴する方法も解説」
光回線・ケーブルテレビを利用する
アンテナを使わずにテレビ放送を視聴する方法として、光回線やケーブルテレビも選択肢のひとつです。それぞれの仕組みやメリットについてみていきましょう。
【光回線を利用する方法】
光ファイバーを利用したインターネット回線にはオプションとして「光テレビ」が提供されている場合があります。光テレビを契約すると、専用チューナーが光ファイバーを通じて送られる放送信号を受信し、地上デジタル放送やBS、CSなどを視聴できます。
【ケーブルテレビを利用する方法】
ケーブルテレビ(CATV)は、地上波放送や衛星放送の電波をケーブルテレビ局が受信し、それをケーブルで契約者に配信する仕組みです。アンテナを設置する必要がないため、簡単に視聴を始められます。また、地域によっては独自のチャンネルが用意されており、地域密着型のコンテンツを楽しむことも可能です。
無線化する際の注意点
テレビアンテナを無線で飛ばしたい場合、いくつかの注意点を踏まえておくことが大切です。それぞれのポイントについて詳しく解説します。
通信規格を確認する
地デジの電波を無線化するためには、「無線LANの通信規格」の確認が必要です。Wi-Fiルーター、テレビ、チューナー付きブルーレイレコーダーなどが、同じ通信規格に対応していなければ接続はできません。
通信規格とは「IEEE802.11a」や「IEEE802.11b」のように、アルファベットと数字の組み合わせで示されています。さらに、後半のアルファベット(例:n、ac、adなど)が異なるため、接続前にすべての機器が同じ規格に対応しているか確認してください。これを怠ると、無線化に失敗する可能性があります。
映りが不安定になることもある
無線化によってテレビが映らなくなる、または映像が途切れるといった問題が発生することがあります。特にアンテナ端子がない部屋で無線化を行う場合には注意が必要です。
映りに影響を与える要因として、家電製品が発する「電磁波」があげられます。例えば、スマートフォンや電子レンジから発生する電磁波が干渉し、映像が乱れることがあります。また、Wi-Fiとテレビの位置や距離、間に置いている家具や壁といった障害物も影響を与えるため、これらを避ける工夫が必要です。
アンテナ端子の増設も検討する
無線化がうまくいかない、または映像が期待以下の画質である場合には、アンテナ端子の増設を検討することをおすすめします。専門業者に依頼することで、無駄な手間を省きながら迅速に問題を解決できるでしょう。
アンテナ端子の増設工事には10,000円~20,000円程度の費用がかかります。建物の構造によっては追加費用が必要になることもあります。まずは業者に相談し、見積もりを出してもらうと安心です。また、専門業者なら施工からアフターフォローまで対応してくれるため、効率的に問題を解決できるでしょう。
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まとめ
テレビアンテナを無線で飛ばす方法を検討する際、地デジ電波を無線化することは違法です。ただし、映像データを変換して無線で送る方法であれば合法で、Wi-Fiや無線LANを活用することで実現できます。今回の記事を参考に、安全で快適な無線化を目指してください。