この記事を要約すると...
築年数の古い住宅で、テレビのアンテナ端子も古いため、テレビをうまく接続できないという悩みを抱えていませんか。古いテレビアンテナ端子は、どのように対処すれば使えるようになるのでしょうか。今回は、テレビアンテナ端子が古い場合の対処法や注意点について解説します。
テレビのアンテナ端子が古い場合はF型端子に交換するのがおすすめ
テレビのアンテナ端子には、下記3つの種類があります。
種類 | 特徴 | つなぎ方 |
直付端子 | ケーブルを接続する穴の下にネジが2つある | 通常のアンテナケーブルを加工して接続する |
フィーダー端子 | 突出した2つのつまみのようなものがついている | アンテナ調合器を利用して接続する |
F型端子 | 円形のコネクタにネジ山がついている。地上デジタル放送にのみ対応したタイプと、地上デジタル放送・BS・CSに対応したタイプがある | 直接F型のアンテナケーブルを接続する |
上記のアンテナ端子の中でも一般的に広く使われているのは、F型端子です。対応するアンテナケーブルであれば直接、接続できるため、特に加工したり別の器具を用意したりする必要はありません。
上記のアンテナ端子の中で、築年数の古い家で使われている可能性があるのは、直付端子やフィーダー端子です。直付端子は接続のためにアンテナケーブルの加工が必要です。フィーダー端子はアンテナ整合器といわれる別の器具を必要とします。
なお、古いアンテナ端子を利用し続けることには、下記のデメリットもあります。
・市販のアンテナケーブルを直接接続できない
・アンテナをうまく接続できないとテレビ映りに影響する
・電波漏えいによる電波干渉が起こり、通信機器に影響を及ぼすことがある
アンテナ端子が直付端子やフィーダー端子の場合は、デメリットも踏まえて、F型端子に交換するのがおすすめです。古いアンテナ端子からF型端子への交換は、下記のメリットがあります。
・ケーブルを差し込むだけで簡単に接続できる
・接続を誤ってテレビ映りが悪くなることが少ない
・電波が安定している
【DIY】アンテナ端子をF型端子に交換する方法
古いアンテナ端子を自分でF型端子に交換する場合、どのような準備が必要になるのでしょうか。交換に必要な道具と交換の手順を解説します。
アンテナ端子の交換に必要な道具
F型端子に交換するには、下記の道具が必要です。
・ネジ
・ドライバー
・テレビ端子または直列ユニット
テレビアンテナ端子は固定されているため、取り外しや取り付けのためにドライバーが必要です。
さらに、交換するテレビ端子または直列ユニット(F型テレビターミナル)を用意しましょう。テレビ端子を用意するか、直列ユニットを用意するかは、自宅の配線方式によって異なります。
テレビアンテナを分配器によって各部屋に分配している場合は、テレビ端子を用意します。該当する配線方式は、送り配線方式や分配配線方式です。
テレビアンテナをブースターや分配器を介して直列に配列している場合は、直列ユニットを用意します。直列配線方式といわれる接続方法で、築年数の古い家でよくみられます。
テレビ端子も直列ユニットも、家電量販店やホームセンター、ネットショップなどで購入できます。費用は1,000円~2,000円程度です。
アンテナ端子を交換する手順
テレビアンテナ端子の交換は、下記の手順で行います。
1.壁に取り付けられたテレビアンテナ端子のカバーをドライバーで外す
2.接続されているテレビアンテナケーブルを取り外す
3.取り出したケーブルをケーブル端子または直列ユニットにつなぐ
4.ケーブル端子または直列ユニットを内枠に固定する
5.内枠を壁に固定する
6.外枠を取り付ける
7.テレビアンテナ端子のカバーを取り付ける
アンテナ端子を交換する際の注意点
テレビのアンテナ端子を自分で交換する場合の注意点を紹介します。
注意点1|専門業者への依頼が必要なケースもある
電気設備の工事などに関しては、電気工事士の資格が必要です。
ただし、一般的に、テレビアンテナ端子の交換は、電気工事士の資格を必要としません。ケーブルの接続やアンテナ端子の接続などは、基本的に電気工事を必要とする作業がないためです。
しかし、設置する端子によっては、第二種電気工事士または第一種電気工事士の資格が必要になります。例えば、電気コンセントとテレビ端子が一体型になったタイプのテレビ端子の取り付けです。この場合は加工して接続する必要があるため、電気工事士の資格がないと交換できません。
無資格の方が電気工事を行った場合は、3か月以下の懲役または3万円以下の罰金となることもあります。電気工事に該当するテレビアンテナ端子の交換作業は、必ず資格のある専門業者に依頼しましょう。
また、F型端子には複数の種類があります。正しく取り付けるためには、テレビアンテナから各部屋にどのように配線されているか、配線方式を確認しなければなりません。配線方式がわからない場合も、配線を調査してもらえる専門の業者に依頼した方が安心です。
専門の業者にテレビアンテナ端子の交換を依頼した場合の費用の目安は、1万円~3万円程度です。
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注意点2|今までのアンテナケーブルが使用できなくなる
古いアンテナ端子(直付端子やフィーダー端子)からF型端子に交換すると、端子の形状が変わるため、これまで使用していたアンテナケーブルが使えなくなります。
新しいアンテナ端子に交換するタイミングで、対応するアンテナケーブルの準備が必要です。交換の前に、どの形のケーブルを購入しておけば良いか確認しておきましょう。
アンテナケーブルを選ぶ際は、下記の点に注意して購入しましょう。
・テレビ環境に合った長さや太さか
・視聴したい放送(地上波やBS/CS、4Kなど)に対応しているか
注意点3|賃貸の場合は工事の許可が必要
アパートやマンションなどの賃貸物件では、基本的にアンテナ端子の増設などが許可されていません。交換作業も壁などを傷つけてしまう可能性があるため、物件の持ち主や管理会社の許可を得なければなりません。無断での工事は、賃貸契約のトラブルになる可能性があります。
また、賃貸物件では、使用されている直列ユニットの種類により、自分の部屋以外にも影響を及ぼすことがあります。交換で配線が傷つくと、他の部屋のテレビの受信にもトラブルが生じるおそれがあるため、勝手に交換することは避けましょう。
許可を得た場合でも、自分で交換するとリスクがあるため、専門の業者に依頼するのがおすすめです。
【補足】古いタイプのアンテナ端子にケーブルを繋ぐには
F端子に交換せずに、古いタイプのアンテナ端子のままで利用する方法も考えられます。ここでは補足として、直付端子やフィーダー端子の接続方法を紹介します。
直付端子の場合
直付端子へのケーブルの取り付けには、下記の道具が必要です。
・アンテナケーブル(未加工)
・ペン
・定規
・プラスドライバー
・カッター(またはニッパー)
ケーブルの取り付けは、下記の手順で行います。
1.ケーブル先端から9mmを定規で測り、上にペンで目印を入れる
2.目印にカッターなどで切り込みを入れる
3.導体を傷つけないように回しながら円状に切り込みを入れる
4.カット部分を引き抜く
5.カット部分のうち2mm程度を切って外皮のみ引き抜く
6.直付端子の2つのネジをドライバーで緩める
7.引き抜いた端子の先を直付端子の穴に差し込む
8.直付端子の2つのネジを締めて固定する
フィーダー端子の場合
フィーダー端子へのケーブルの取り付けには、下記の道具が必要です。
・アンテナケーブル
・アンテナ整合器(先端がY字のもの)
ケーブルの取り付けは、下記の手順で行います。
1.ケーブル整合器にアンテナケーブルの先端を接続する
2.フィーダー端子の2つのつまみを緩める
3.ケーブル整合器の2つのY字をフィーダー端子の2つのつまみにそれぞれ差し込む
4.フィーダー端子のつまみを締める
まとめ
古いテレビアンテナ端子は、新しいF型端子に交換するのがおすすめです。ただし、F型端子への交換は、アンテナケーブルの配線方法によって準備するものが異なります。また、賃貸物件は周囲にも影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。交換作業を安全に行うには、電気工事士の資格がある専門業者への依頼も検討しましょう。