この記事を要約すると...
テレビで電波障害が起こると、映像が乱れたりまったく映らなくなったりするので非常に困るものです。なぜ電波障害が起こるのか、どうすれば解消できるのかと悩むことでしょう。そこで今回は、テレビで電波障害が起こる原因や、電波障害の影響を軽減するための対策などについて解説します。
テレビの電波障害の5つの原因
テレビで電波障害が起こる主な原因として、下記の5つがあげられます。
・近くに電波を遮る障害物がある
・近くに強い電波の発信源がある
・700MHz電波障害が発生している
・悪天候による影響を受けている
・山岳部・盆地などの地域である
それぞれの詳細を解説しますので、どれが当てはまるかを考えてみましょう。
近くに電波を遮る障害物がある
テレビの電波は真っ直ぐに進む性質があり、障害物を避けて進むことはできません。そのため、近隣に山や木、中高層の建物、クレーン車などがあると、それらが障害物になり電波を遮ります。
すると障害物を通り抜ける際に電波が弱くなる「遮蔽(しゃへい)障害」が発生し、テレビアンテナに電波信号が届きにくくなって、テレビの映像が不安定になる場合があります。
近くに強い電波の発信源がある
テレビアンテナの近辺に何らかの強い電波を発するものがあると、その影響で電波障害が生じる場合があります。強い電波を発するものの例として、下記があげられます。
・飛行機やヘリコプターの通信施設
・自衛隊基地
・アマチュア無線 など
また、下記のような身近な電気製品からも電波が出ており、テレビの電波に干渉することがあります。
・LEDの街灯
・故障した水銀灯
・ネオン看板
・古い電化製品や発電機 など
テレビのブースターに異常が起きて過剰に電波を増幅され、受信すべき電波を邪魔しているケースもあります。
700MHz電波障害が発生している
「700MHz電波障害」によってテレビの映像が乱れている可能性も考えられます。700MHz電波障害とは、スマートフォンなどで利用されている700MHz帯(プラチナバンド)が原因で起こる電波障害です。
テレビが地上デジタル放送に移行した結果、アナログ放送で使われていた700MHz帯の一部に空きが出たため、近年通信量が増加しているスマートフォンに割り当てられました。
しかし、スマートフォンに割り当てられた700MHz帯はもともとテレビで使われていた電波であり、地上デジタル放送の電波と似ています。そのため、ブースターが誤って700MHz帯の電波を増幅してしまい、テレビの映像に問題が発生するようになったのです。
700MHz電波障害は特に携帯電話基地局の近くで発生しやすいため、居住地が該当エリアに入っていないかどうかを確認してみましょう。
出典:一般社団法人 700MHz利用推進協会「ケータイで利用する電波帯の拡大に伴うテレビの「受信障害」対策を実施しています。」
悪天候による影響を受けている
悪天候の影響で電波障害が発生する場合もあります。そのなかでも衛星放送(BS/CS放送)の電波は雨や雪に吸収されたり跳ね返されたりしやすいので、ゲリラ豪雨や台風、大雪のような日は映像が乱れる可能性があります。
また、激しい雨風が吹き付けている日は、強い風や飛んできた物体によってアンテナが破損したり位置が変わったりしてしまい、テレビの映像が乱れる場合があります。
山岳部・盆地などの地域である
先述の通り、テレビの電波は高い建物や山などに遮られると弱くなる性質があります。そのため、自宅が山岳部や盆地などにあり周囲に森や山が広がっていると、テレビの映像に影響が出ることがあります。
テレビの電波障害でみられる症状
テレビにトラブルが起きたときに、電波障害なのかどうかが判断できないこともあるでしょう。そこで、テレビの電波障害でよくみられる症状を解説します。
ブロックノイズ・線状ノイズ
テレビの電波障害でよくみられる症状のひとつが、ブロックノイズや線状ノイズです。
・ブロックノイズ:テレビの映像にモザイクのような四角いノイズが入ること
・線状ノイズ:テレビの映像に線状のノイズが入ること
上記のノイズと同時に、画面に「電波が受信できません」という文言とエラーコードが表示される、音飛びするなどの症状が併発する場合もあります。
テレビにブロックノイズが発生する原因や対処法を知りたい方はこちらも参考にしてください。
エラーコードの発生
画面に「E202」などのエラーコードが表示されるのも、電波障害でよくみられる症状です。「E202」はうまく電波を受信できないときに現れるエラーコードで、B-CASカードを入れ直せば解消することも少なくありません。
B-CASカードを入れ直してもエラーコードが消えない場合は、電波障害で映像が映らなくなっている可能性が高いと判断できます。
画面がフリーズする
電波障害が発生すると、テレビの映像にノイズが入ったり映像が映らなくなったりするだけではなく、画面が完全に固まって動かなくなるパターンもあります。
ほかにも音声が途切れる、映像が消えているのに音声のみ聞こえるなどの症状が出ることもあります。
テレビの電波障害が起こっているか確認するには
テレビの電波障害が起こっているかどうか、症状だけでは判断しきれないことも多いでしょう。そのような場合に、電波障害が起こっているかどうかを確認する方法を紹介します。
他のテレビの映りを確認
自宅に複数台テレビを設置している場合は、他のテレビでも同じ症状が出ているかどうかをチェックしてみましょう。他のテレビでは症状が確認できない場合は、電波障害ではない可能性が高いと考えられます。
その場合はテレビ本体や周辺機器が壊れていたり、ケーブルに問題があったりするかもしれないので、ケーブルを挿しなおす、テレビ本体を再起動するなどしてみましょう。
近所で同様の不具合が発生していないか確認
テレビの電波障害は特定の家だけに起こるケースは少なく、広範囲で被害が出ることが特徴です。「電波障害かも?」と思ったら、近所のテレビでも同じ症状が出ていないかを調べてみると良いでしょう。
テレビの電波障害の影響を少なくするための対策
アンテナが劣化していたり、受信性能が良くないアンテナを使っていたりすると、少しの電波の乱れで電波障害が起こる場合があります。
そのため、電波障害の影響を減らすには、まず受信側の環境を整えることが大切です。また、解決が難しい場合は、テレビアンテナで受信する以外の選択肢を考える必要があります。具体的にはどのような対策ができるのかを解説します。
ケーブルテレビや光回線を契約する
近隣に高い建物や携帯電話基地局がある、盆地に住んでいるなどで電波障害が発生しやすい場合は、ケーブルテレビや光テレビに変更することを検討してみましょう。
先述の通り、テレビの電波障害はテレビアンテナを設置しているところで発生するものであり、ケーブルテレビや光テレビはほぼ影響を受けません。
ケーブルテレビや光テレビは、電波が安定している場所で高性能アンテナを用いて受信した電波を、ケーブルやインターネット回線経由で各家庭に届けます。
対象外のエリアがある、毎月利用料金が発生するなどのデメリットはありますが、テレビアンテナでの電波受信が難しい家庭にはおすすめです。
光テレビについて詳しくはこちらも参考にしてください。
「テレビアンテナと光テレビどっちが良い?メリット・デメリットを紹介」
受信性能の高いアンテナを使う
電波を受信する側の環境がいまいちだとすぐに電波が乱れるため、テレビの映像が悪影響を受けやすくなります。しっかりと電波を受け取れるように、受信性能の高いテレビアンテナを使うことも大切です。
地上デジタル放送用のアンテナには、下記の4種類があります。
・八木式アンテナ:よくある魚の骨のような見た目のアンテナ
・デザインアンテナ(平面アンテナ):箱型で目立ちにくいアンテナ
・ユニコーンアンテナ:円柱型のアンテナ
・室内アンテナ:壁掛けや机の上に設置できる屋内向けのアンテナ
このうち、もっとも受信性能が良く、テレビの電波が弱いエリアでも使いやすいのが「八木式アンテナ」です。主に屋根の上に設置するため、「家の美観を損ねる」と思う方もいるかもしれません。
しかし、安定してテレビを見たい場合は、八木式アンテナの使用を検討してみましょう。また、アンテナの設置場所が原因になっているケースもあるので、専門業者に相談するなどしてアンテナの位置も見直してみましょう。
八木式アンテナについて詳しくはこちらも参考にしてください。
「八木式アンテナとは?メリットや設置費用、施工の流れまで詳しく解説」
まとめ
テレビの電波は近隣に障害物や強い電波を放つものがあったり、盆地に住んでいたりするとうまく受信できない場合があります。そのため、何が原因なのかを調査し、原因に応じた解決方法を考えてみることが大切です。
八木式アンテナの設置を考えているなら、テレビアンテナの修理・設置業者「Go!Go!アンテナ」への相談がおすすめです。地域密着型で、スピーディーに対応してもらえるので、まずはお気軽に問い合わせてみましょう。