この記事を要約すると...
使わなくなったテレビアンテナが屋根に残っていると、その劣化や破損が原因で思わぬトラブルを引き起こすおそれがあります。強風や自然災害により、周囲に損害を与えることもあるため、アンテナの撤去は早めに行うのが賢明です。今回は、アンテナ撤去にかかる費用、業者の選び方、そして無料での撤去方法についても詳しく解説していきます。
劣化・破損したアンテナは早めに撤去するべき理由
長年使用していないテレビアンテナをそのまま放置しておくのは危険です。アンテナの劣化や破損は、周囲の建物や住民に被害を与えるリスクがあるため、早めの撤去が推奨されます。ここでは、アンテナを早めに撤去すべき理由について詳しくみていきましょう。
屋根が劣化してしまうため
劣化したアンテナを屋根に取り付けたまま放置すると、屋根自体の劣化が進んでしまう可能性があります。アンテナの固定部分が錆びたり、接続が緩んだりすることで雨漏りの原因となり、家屋全体にダメージを与えかねません。特に古い住宅の場合、アンテナ撤去が屋根の寿命を延ばすために欠かせない要素です。
外壁が劣化してしまうため
アンテナの固定部分や配線が劣化すると、外壁にも悪影響を与える可能性があります。特に、アンテナが壁面に取り付けられている場合、錆びた固定具や緩んだネジが外壁を傷つけ、そこから雨水が侵入する原因となります。これにより外壁の塗装が剥がれたり、内部の腐食が進んだりすることがあり、家全体の劣化を促進するおそれがあります。
事故につながるため
劣化したアンテナが強風や台風などの自然災害で倒れてしまうリスクがあります。これにより、屋根や外壁に損傷を与えるだけでなく、最悪の場合には周囲の住宅や車、人に被害を及ぼすこともあります。安全のためにも、不要になったアンテナは早めに撤去することが大切です。
近隣とのトラブルにつながるため
倒れたアンテナが隣家に被害を与えた場合、近隣トラブルの原因となることがあります。特に、倒壊によって車や建物が破損した場合、補償問題に発展することも考えられます。こうしたトラブルを避けるためにも、アンテナの撤去は早めに行うべきです。
アンテナ撤去の費用相場は5,000円〜20,000円
アンテナの撤去費用相場は、おおむね5,000円から20,000円程度です。ただし、アンテナの種類や設置場所、撤去の難易度によって価格は異なります。また、アンテナの種類別の費用について、詳しくは下記の記事も参考にしてください。
テレビアンテナの撤去費用はどれくらい?相場と業者選びのポイントを紹介
ここでは、アンテナ撤去費用の目安や依頼時のポイントを詳しく解説します。
ポイント1|アンテナ撤去の正確な費用は現地調査が必ず発生する
アンテナ撤去の正確な費用を知るためには、現地調査が必要です。アンテナの種類や設置場所、劣化の程度によって作業内容が異なるため、業者が実際に現地を確認して見積もりを出すことが一般的です。見積もりを複数の業者から取って比較することで、納得のいく価格で撤去を依頼できます。
ポイント2|アンテナ撤去無料には警戒が必要
一部の業者やケーブルテレビ会社が「無料で撤去します」と宣伝していることがありますが、注意が必要です。無料の撤去には条件が付いている場合が多く、最終的には他の費用がかかることもあります。必ず契約内容をよく確認し、追加費用の有無について確認することが大切です。
アンテナ撤去工事の流れ
アンテナの種類によって撤去工事の流れは異なります。ここでは、主要なアンテナの撤去手順を解説します。
八木式アンテナの場合
1.作業前の安全確認
2.はしごの設置
3.支線(ワイヤー)の切断
4.アンテナ本体の取り外し
5.支柱、屋根馬の取り外し
6.各部品を屋根上から撤去
7.撤去後の配線の整理
8.屋根の点検と修繕(必要に応じて)
BS・CSアンテナの場合
1.作業前の安全確認
2.衛星アンテナの方向調整器具の取り外し
3.配線の確認・遮断
4.アンテナ本体の撤去
5.支柱や取り付け金具の取り外し
6.撤去後の配線の整理
その他のアンテナの場合/h3>
1.作業前の安全確認
2.取り付け方法に応じた適切な工具での作業
3.固定具や配線の確認・遮断
4.アンテナ本体の撤去と配線整理
アンテナ撤去を自分で行う場合
費用面などを考慮し、アンテナ撤去を自分でやってみたいという方もいるのではないでしょうか。ここでは、先述した八木式アンテナの撤去作業を例にあげて、自分でアンテナを撤去する場合の注意点を紹介します。
作業前の注意点
まず注視したいのは作業日の天候です。特に屋根の上で作業する場合、雨や雪の日は足元が滑りやすく落下や怪我につながりやすいため、晴れた日に実施するようにしましょう。また、作業時にはゴム底の靴を履くことで落下のリスクを下げられます。
さらに、アンテナやケーブルには電気が流れており、万が一の事故を防ぐためにも、絶縁手袋などを着用して作業するのが賢明です。
作業中の注意点
ここでは作業時に危険が大きい工程と、それぞれの注意点を解説します。
【支線(ワイヤー)の切断】
アンテナは支線(ワイヤー)でつながれており、まずはこれを切断する必要があります。この際、切断の仕方によってはバランスを崩してしまいやすいので慎重に進めましょう。
【アンテナ本体の撤去】
角度がある屋根だと、アンテナがそのまま下に落ちてしまうため、あらかじめ置き場所などを考えておきましょう。
【支柱、屋根馬の取り外し】
細かな金具が多いため、落下しないよう注意しましょう。また、取り外した位置に穴が空いていたりサビが生じていたりしないかも確認します。補修の必要があれば、その場で行うか、後日早めに対処してください。
【各部品を屋根上から撤去】
何度も登り降りするのは大変ですが、一度にたくさんのものを持ち運ぶと危険なため、安全第一で少しずつ下ろしましょう。
自分でアンテナ撤去はおすすめしない
先述のように、アンテナ撤去は多くの危険をともない、準備や作業に時間も要します。また、工具をそろえるのに費用が発生し、業者に依頼するよりも結果的に費用がかさんでしまう場合があります。そのため、少しでも不安がある場合は、業者に依頼するようにしましょう。
撤去したアンテナの処分方法は?
アンテナを撤去した後は、その処分方法についても考える必要があります。アンテナの種類によって処分方法が異なるため、適切に分類して処分しましょう。
屋外の大型アンテナは「粗大ごみ」
屋外に設置されている大型のアンテナは、一般的に粗大ごみとして処分することになります。自治体によっては、収集のための申し込みが必要な場合があるため、事前に確認しておきましょう。
屋内の小型アンテナは「不燃ごみ」
室内に設置されている小型のアンテナや取り外した配線類は、不燃ごみとして処分できることが多いです。ただし、自治体によっては処分方法が異なる場合があるため、必ず地域のルールに従って処分してください。
まとめ
テレビアンテナの撤去は、放置しているとさまざまなリスクを引き起こす可能性があります。屋根や建物の劣化を防ぎ、安全な住環境を維持するためにも、アンテナが不要になった場合は早めに撤去することが大切です。
費用面では、業者に依頼する場合の相場や、無料で撤去できる場合の条件をよく確認し、自分に合った方法を選びましょう。また、撤去後の配線処理や、NHK受信料の解約手続きについても忘れずに対応することで、スムーズに作業を進めることができます。
アンテナ撤去を検討中の方は、ぜひこの記事を参考に、安全かつ効率的な方法での撤去を進めてみてください。