この記事を要約すると...
地上アナログ放送の終了から10年以上が経ちますが、使用していたVHFアンテナを撤去した覚えがないという方も多くいらっしゃいます。しかし、不要になったアンテナはさまざまなリスクをともなうため、早めに撤去しましょう。 今回は、UHFアンテナとVHFアンテナの見分け方や、アンテナの撤去方法、設置方法について紹介します。
UHFアンテナとVHFアンテナとは?
まず、UHFアンテナとVHFアンテナとはそれぞれどのようなものか、理解を深めましょう。
UHFアンテナ
UHFアンテナは、300MHz~3GHzの極超短波(Ultra High Frequency)を受信するアンテナです。地上デジタル放送で使用している周波数帯に対応しており、現在は主に地デジ用のテレビアンテナとして使用されています。
UHFアンテナは電波の波長が短いため、アンテナの小型化が可能です。それにともない、近年では「八木式アンテナ」「デザインアンテナ」「室内アンテナ」の3種類が展開されています。それぞれの特徴は下記の通りです。
八木式アンテナ
八木式アンテナは、屋根など屋外に設置する魚の骨のような形状のアンテナです。3種の中で最も高い感度を誇り、電波強度が弱いエリアでも快適にテレビを視聴できます。
また、他の種類と比べてアンテナ本体の価格が手頃であるため、コスパを重視される方にもおすすめです。
デザインアンテナ
デザインアンテナは、箱型のアンテナです。コンパクトな上に、カラーも複数展開されているため、家の外観を損なうことなく取り付けることができます。
ただし、設置できる高さが限られるため、電波の弱いエリアでは使用できないケースがある上に、価格も八木式アンテナより割高です。
デザインアンテナについて詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
デザインアンテナとは?メリットや設置費用、施工の流れまで詳しく解説
室内アンテナ
室内アンテナは工事の必要がない、屋内の壁面や卓上に設置できるアンテナです。手軽に取り入れることができる一方で、屋外アンテナよりも構造が単純なため、電波が安定している環境でないと使用できません。
室内アンテナについて詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。
室内アンテナでテレビがうまく映らない!原因や対処法を詳しく解説
VHFアンテナ
VHFアンテナは、30MHz~300MHzの超短波(Very High Frequency)を受信可能なアンテナです。これは2011年7月24日の正午まで使用されていた「地上アナログ放送」を視聴するために設置されていました。
現在主流である地上デジタル放送で使われている周波数帯はVHF帯とは異なるため、VHFアンテナでは見ることができません。
なお、VHFアンテナは八木式アンテナのみとなっています。
UHFアンテナとVHFアンテナの見分け方
八木式アンテナの場合、UHFアンテナもVHFアンテナもどちらも棒状であるため、判断が難しいように思う方もいらっしゃいます。しかし、よく見ると電波を受信する素子の長さや全体のフォルムに若干の違いがあるため、見分けることは可能です。
UHFアンテナは、シャープで矢印のような形をしており、素子の幅は短く均一です。魚の骨に例えるとサンマのような形をしています。
一方、VHFは幅広で、素子の長さは均一ではありません。魚の骨で例えるとヒラメのようであると言えます。
なお、デザインアンテナや室内アンテナの場合は、例外なくUHFアンテナです。
VHFアンテナの使い道
地上アナログの受信用に設置されていたVHFアンテナは、FMラジオのアンテナとして代用することができます。FMラジオが使用している周波数帯は76MHzから90MHzのため、VHFアンテナで受信できるのです。
FMラジオの視聴環境を改善するためにラジオ用のアンテナが販売されていますが、VHFアンテナでも高音質でクリアな放送を楽しむことができます。ラジオがお好きで、ご自宅にVHFアンテナが残っている方はぜひお試しください。
ただし、VHFアンテナはテレビ局の方角に向けて設置されているため、接続するだけでFMラジオを視聴できるとは限りません。その場合は、視聴したいFMラジオ局の方向にアンテナの向きを調整する必要があります。
不要になったVHFアンテナの撤去方法・注意点
VHFアンテナが設置されたままでも、地デジを視聴するのに問題はありません。しかし、古いアンテナを残していると、予期せぬ危険事象が発生することもあります。使わないのであれば、早めの撤去がおすすめです。
アンテナの寿命は約10~15年といわれています。しかし、現在残っているVHFアンテナは、少なくともアナログ放送が終了した2011年よりも前に設置されたものです。つまり、耐久年数を超え、かなり劣化が進んでいる状態であると推定されます。
腐食したアンテナをそのままにしておくと、大きく2つの問題が発生します。1つは金属のサビです。サビが流れて屋根や外壁に付着すると、外観を損ねてしまうだけでなく、家の傷みの原因になることもあります。
もう1つは、暴風雨や地震などにより、折れたり落下したりするリスクです。屋根に落ちれば瓦を傷めますし、もし近隣住宅や人、走行中の車などに当たると大きな事故となり、損害賠償責任を負わなければなりません。
このように、使っていないVHFアンテナを残しておいてもデメリットが多いため、適切な対処をするのが賢明です。ここからは、撤去の方法や撤去時の注意点を紹介します。
VHFアンテナ撤去作業の流れ
VHFアンテナの撤去は、下記の流れで行います。
1.アンテナを支えている支持線(ワイヤー)を切断する
2.アンテナ本体を取り外す
3.アンテナ本体についている屋根馬、支柱、固定金具を順に取り外す
4.屋根上の固定金具を取り外す
アンテナの撤去作業はプロに任せたほうが安心!
VHFアンテナの撤去作業には特に資格が必要ないため、個人でも行うことが可能です。
しかし、VHFアンテナは軽いものでも1kg程度、重いものになると5㎏以上あります。また、このような重量のあるものを高所で扱うのは困難な上に、転落などの危険をともなうため、費用はかかるものの、撤去はプロの業者に任せたほうが安心です。
アンテナの撤去費用について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
テレビアンテナの撤去費用はどれくらい?相場と業者選びのポイントを紹介
UHFアンテナの設置方法・注意点
これまでUHFアンテナを設置せず室内アンテナなどで代用していた方や、アンテナを使用しないケーブルテレビや光回線のテレビサービスなどを利用していた方もいるでしょう。ここでは新しくUHFアンテナを設置したい場合の、手順や注意点を紹介します。
UHFアンテナの設置手順
UHFアンテナには、八木式アンテナのほかに、デザインアンテナと室内アンテナがあります。それぞれの設置手順は下記の通りです。
八木式アンテナの場合
1.アンテナを組み立てる
2.電波状況を調べて設置場所を決める
3.屋根の上に取り付け、支持線(ワイヤー)で固定する
4.アンテナの向きを調整する
5.アンテナケーブルを引き込み、テレビに接続する
デザインアンテナの場合
1.設置場所を決める
2.取付金具を設置し、アンテナ本体を取り付ける
3.本体とアンテナケーブルを接続する
4.アンテナの向きを調整する
5.アンテナケーブルを引き込み、テレビに接続する
室内アンテナの場合
1.設置する場所を決める
2.アンテナを置く、もしくは壁面に取り付ける
3.アンテナケーブルをテレビに接続する
4.設置方向を調整する
自力でアンテナを設置するのはおすすめできない
工事が必要になる八木式アンテナやデザインアンテナの設置は、プロに任せるのをおすすめします。アンテナ設置には、電波調査の知識や技術が必要です。また、屋根の上をはじめとする高所作業には、転落の危険がともないます。加えて、複数のテレビで地デジを視聴したい場合は、ケーブルを引き込まなければなりません。
うまく映らない、ケガをしたなどのトラブルを避けるためにも、豊富な専門知識と技術を有しているアンテナ専門の工事業者に依頼をしましょう。
工事業者の選び方を詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
テレビのアンテナ工事はどこに頼む?費用相場や依頼先を選ぶポイント
まとめ
VHFアンテナとUHFアンテナは、形状が異なります。不要なVHFアンテナを残しておくと、老朽化によりサビや落下などのリスクがあるため、早めに撤去するのがおすすめです。また、自力での撤去や新しいアンテナの設置は危険をともなうため、実績が豊富な工事業者に依頼しましょう。
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