この記事を要約すると...
経年劣化やテレビの映像の乱れをきっかけに、アンテナ交換を検討される方も多いのではないでしょうか。アンテナにはいくつか種類がありますが、多くの家庭で利用されているのが「八木式アンテナ」です。今回は、八木式アンテナの性能や設置費用、メリットとデメリットなどを詳しく解説します。選ぶ際のポイントも紹介しているので、八木式アンテナの設置を検討されている方はぜひ参考にしてください。
八木式アンテナとは?特徴と対応する放送の種類
八木式アンテナは、魚の骨のような形状が特徴的なテレビ用アンテナです。主に屋根の上に設置され、高所から安定して電波を受信できます。ここでは、八木式アンテナの具体的な特徴や対応する放送の種類について説明します。
八木式アンテナの特徴
八木式アンテナは、リフレクター(反射器)とディレクター(導波器)という部品を備えており、遠くの放送局からの電波を効率良く集めることができます。受信能力が高く、地理的条件が厳しい地域にも適したアンテナといえます。
また、アンテナの短い横棒部分は「素子」と呼ばれ、この本数が多いほど受信感度が向上します。家庭用として一般的な八木式アンテナでは、14素子や20素子のモデルがよく使用されます。さらに、電波状況が特に悪い地域では、「パラスタックアンテナ」と呼ばれる素子数が多いモデルが選ばれることもあります。
八木式アンテナが対応する放送の種類
八木式アンテナで受信できる放送は下記の通りです。
・地上デジタル放送(UHF):家庭でテレビを視聴する際に必要な放送
・FMラジオ放送:一部のモデルでは、FMラジオ放送の受信にも対応
・地域限定放送:地域によっては、電波状況に応じてローカルな放送を受信できる場合がある
さらに、地域の特性や設置環境に応じて選ぶことで、より快適な受信環境を整えられます。
八木式アンテナとデザインアンテナの違い
八木式アンテナは、地デジ放送が普及した現在でも、その高い性能と長い歴史から信頼されています。一方で、近年ではデザイン性に優れたデザインアンテナも注目されています。
デザインアンテナは、建物の壁面などに設置する、見た目に配慮した平面型のアンテナです。建物の外観を損なわないため、新築住宅やデザイナーズ物件で人気があります。設置も容易で、限られた場所にしか設置できない八木式アンテナと比べると自由度が高いと言えます。
しかし、八木式アンテナほどの受信力はないため、電波の状況次第ではデザインアンテナの設置場所は限られるでしょう。電波の弱い地域でのデザインアンテナ設置はおすすめできません。
八木式アンテナとデザインアンテナ、それぞれの特徴は下記の通りです。
八木式アンテナ | デザインアンテナ | |
外観 | 長方形で目立ちやすい | 壁面設置で目立ちにくい |
受信性能 | 安定している | 電波の強さに依存 |
設置の自由度 | 専門知識が必要 | 設置場所の選択肢が多い |
価格 | 比較的安価 | やや高価 |
八木式アンテナのメリットとデメリット
ここからは八木式アンテナのメリットとデメリットを詳しく解説します。
八木式アンテナのメリット
八木式アンテナには、下記のようなメリットがあります。
高い受信感度
八木式アンテナは屋根の上に設置することが多く、周囲の建物や木々の影響を受けにくいため、電波を安定して受信できます。そのため、電波が弱い地域でもテレビの映像が途切れにくい利点があります。
価格がリーズナブル
デザインアンテナと比較すると、八木式アンテナは本体価格が安価です。また、設置費用も抑えられるため、コストを重視する方にはおすすめです。
設置場所の柔軟性
八木式アンテナは、屋根の上だけでなく、破風、外壁、屋根裏、ベランダなど、さまざまな場所に設置可能です。これにより、建物の構造や環境に応じた柔軟な設置ができます。
八木式アンテナのデメリット
一方で、八木式アンテナには下記のようなデメリットもあります。
外観を損ねる可能性
屋根の上に設置する場合、アンテナが外から目立ちやすくなるため、建物の外観に影響を与えることがあります。特にデザインにこだわる住宅では気になるかもしれません。
天候の影響を受けやすい
八木式アンテナは、雨風や雪などの天候の影響を受けやすい特徴があります。特に海沿いであれば塩害による劣化で寿命が短くなりがちです。そのため、長期間使用すると劣化が進み、場合によっては電波の受信状況が悪化し交換が必要になります。
八木式アンテナの耐用年数は10年程度です。風雨に晒されにくいデザインアンテナの耐用年数は10~15年と八木式よりも長い傾向にあります。交換頻度によっては安価であってもデメリットとなってしまうかもしれません。
設置やメンテナンスの難易度
高所に設置されることが多いため、設置やメンテナンスには専門的な作業が必要です。そのため、設置の際は専門業者に依頼するのが一般的です。また、メンテナンスの際にも安全面に注意が必要です。
八木式アンテナの設置は自分でできる?
八木式アンテナの設置は業者へ依頼するのがおすすめです。屋根への設置は高所作業となり、転落のリスクがあります。アンテナの向きや角度は適切に調整する必要があり、専門知識がなければテレビの映りが悪くなってしまう場合もあるでしょう。
専門業者に依頼すれば怪我や転落の心配もなく、素早く設置できます。「Go!Go!アンテナ」は、年間3,000件以上の施工実績があり、15年の長期保証も付いているため安心です。また、最短即日で対応してくれるため、早くテレビを見たい方に適したサービスです。
どうしてもDIYで設置したい方は、いくつかのポイントや手順を事前に確認しておくことが重要です。テレビアンテナの設置方法については、下記の記事を参考にしてください。
「テレビアンテナは自分で設置できる?DIYでの設置手順を紹介」
八木式アンテナ選びのポイント
ここでは八木式アンテナの選び方のポイントを解説します。
素子数が多いほど受信感度が向上しますが、一般的な家庭であれば20素子の八木式アンテナで問題なく地デジ放送を受信できます。
また、八木式アンテナにはさまざまなメーカーがありますが、代表的なメーカーとして下記の3つがあげられます。
・DXアンテナ:国内で広く普及しており、品質と耐久性に定評があります。
・日本アンテナ:シンプルで使いやすいデザインが特徴です。
・マスプロ電工:幅広い製品ラインナップを持ち、用途に応じた選択が可能です。
さらに、設置場所の電波状況も確認しておくことが大切です。電波が弱い地域ではブースターを併用すると、受信が安定しやすくなります。
八木式アンテナを購入する際は、信頼できるメーカーの製品を選ぶことを意識し、ご家庭の環境に合ったモデルを検討してください。
八木式アンテナの設置費用
八木式アンテナの設置費用は、本体と設置工事費用を合わせて15,000円から30,000円程度が目安です。設置場所や条件によって費用が変わる場合もありますので、具体的な金額は業者に相談することをおすすめします。
また、八木式アンテナに付加機能を追加する場合には、別途費用がかかることがあります。例えば、電波が弱い地域ではブースターと呼ばれる機器を取り付ける必要があります。さらに、複数台のテレビで同時に視聴する場合には、分配器やケーブルといった追加機材が必要となることもあります。
このように、状況によっては追加費用が発生するケースがあるため、設置前に必要な設備や条件を確認しておくことが大切です。
まとめ
八木式アンテナは、優れた受信性能や手頃な価格により、長く支持されているテレビアンテナです。屋根の上に設置することで、電波を安定的に受信し、地デジ放送を快適に楽しめます。昨今人気が上がっているデザインアンテナと比較すると、外観に影響を与える場合もありますが、受信性能の高さは大きな魅力です。
設置作業には高所での作業が含まれ、転落などの危険があるため、専門業者に依頼するのが安全で効率的です。アンテナ選びの際は、電波状況や設置条件をよく確認した上で、ご家庭に最適なモデルを検討してください。