アンテナの混合器とは？初心者でもわかる設置方法・選び方

アンテナの混合器とは

アンテナの混合器とは、複数の異なる電波信号を1本のケーブルにまとめるための装置です。別名「アンテナミキサー」とも呼ばれます。例えば、地上デジタル放送とBS/CS放送の信号を1つにまとめることができます。

まとめられた信号は、1本のケーブルを通じてテレビに送られるため、配線をすっきりと整理できます。また、それぞれのアンテナから伸びる複数のケーブルが絡まる心配もありません。

このように、配線が複雑になりがちな状況でも、1台のテレビで地上波とBS/CS放送を簡単に切り替えて視聴できるのが大きなメリットです。

なお、混合器の導入を検討する際は、使用するアンテナやテレビの接続端子に合ったものを選ぶと、スムーズな接続と安定した受信を両立しやすくなります。

アンテナの混合器の設置方法

アンテナの混合器は「アンテナポール」に設置するのが一般的です。ただし、「屋根裏」に引き込んで設置するケースや、アンテナがベランダに設置されている場合は「ベランダ」に設置するケースもあります。それぞれ具体的な設置方法を解説します。

アンテナポールに設置する場合

まずは混合器をアンテナポールに固定します。次に、地上波用と衛星放送用のアンテナから伸びるケーブルを、それぞれ混合器の入力端子に接続しましょう。その後、混合器の出力端子から屋内へケーブルを配線し、テレビに接続します。

ただし、アンテナが高い位置にある場合や設置場所が不安定な場合は、安全のため専門業者に依頼するのがおすすめです。専門業者は、高所作業やケーブルの配線に対応しており、安心して作業を任せられます。

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屋根裏に設置する場合

屋根裏に混合器を設置することで、外からの見た目がスッキリするほか、天候の影響を受けにくい点がメリットです。

屋根裏に混合器を設置する場合は、あらかじめアンテナのケーブルを屋根裏に引き込んでおく必要があります。外壁やベランダの軒下に穴を開け、天井を通してケーブルを屋内に引き込みましょう。

その後は、アンテナポールに設置するケースと同様に、混合器を屋根裏に固定します。次に、アンテナのケーブルを混合器に接続し、混合された信号を室内のテレビに送る配線を行います。

ただし、この作業には電動工具や配線の知識が必要となる場合があるため、不安がある方は専門業者への依頼を検討しましょう。

ベランダに設置する場合

アンテナがベランダに設置されている場合、混合器もベランダに設置するのが一般的です。

まずは取り付け金具を使って、ベランダの手すりにアンテナを固定します。ベランダ専用の取り付け金具が販売されているため、設置場所の条件に合ったものを選びましょう。その後は、他の場所に設置する場合と同じように、混合器の入力端子にケーブルをつなぎ、出力端子から伸びるケーブルを室内に引き込みましょう。

なお、いずれの方法でも、混合器を利用する際には、分配器や分波器が必要になる場合があります。

それぞれの役割は下記の通りです。

・分配器：1本のアンテナケーブルからの信号を複数のテレビに分ける際に使用
・分波器：1つのアンテナ端子で地上波と衛星放送の信号が混在している場合、それらを分けるために使用

必要な機器や設置方法が不明な場合は、専門業者に相談しましょう。

アンテナの混合器の選び方

アンテナの混合器を選ぶ際には、使用する場所や見たい放送に対応しているかを確認することが重要です。それぞれのポイントについて説明します。

設置場所で選ぶ

アンテナの混合器は、設置する場所によって屋外用と屋内用に分かれています。屋外用の混合器は、防水加工が施されており、雨風に耐えられる設計です。屋外に設置するのであれば、防塵、防滴性能があり、劣化しにくい素材の混合器を選びましょう。

一方、屋内用の混合器は防水機能がないため、屋外で使用すると故障するリスクがあります。

混合器を選ぶ際は、設置予定の場所に適したタイプを選ぶことが重要です。

見たい放送で選ぶ

混合器には対応する周波数帯があり、視聴したい放送に対応しているかを確認する必要があります。

下記の周波数帯に対応する混合器を選びましょう。

・地上デジタル放送：10〜770MHz
・BS/CS衛星放送：1000MHz以上
・4K、8K衛星放送：3224MHz対応

特に4K、8K衛星放送を視聴したい場合は、一般社団法人 電子情報技術産業協会が登録する「SHマーク（スーパーハイビジョン受信マーク）」が付いた混合器を選ぶと安心です。このマークは、4K、8K放送を正確に受信できる基準を満たしていることを示しています。

SHマークがない混合器では、4K、8K放送における受信障害や通信速度が低下しかねません。

遮へい性能が低い機器を使用すると、機器からの電波漏洩により他の無線サービスに影響を与えるおそれがあります。また、他の無線機器からの干渉を受けることもあります。

SHマーク登録制度運営規定では、電波漏洩に関する規格を規定しており、法制化された基準値より厳しい数値です。

安全性で選ぶ

アンテナの混合器を選ぶ際には、安全性を重視することも大切です。安全性が認められた製品には、HSマーク（ハイシールドマーク）が付いています。このマークも、一般社団法人 電子情報技術産業協会が審査、登録を行った証です。衛星放送の中間周波数帯域において、一定以上の遮へい性能を備えていることを示します。

HSマークが付いている混合器は、外部からの電波の妨害を受けにくく、安定したテレビ視聴環境を提供します。また、配線が複雑な場所や電波干渉が多い環境でも、信号をしっかりと混合し、安定して伝えることが可能です。

映像の安定性で選ぶ

テレビの映像が安定するかどうかも、混合器を選ぶ際の重要なポイントです。周辺環境によっては、電波にノイズが発生し、映像が乱れることがあります。これを防ぐためには、高シールドタイプの混合器を選ぶのがおすすめです。

高シールドタイプの混合器は、外部からのノイズを抑え、電波の通りを安定させる効果があります。地上波と衛星放送の両方を快適に視聴できる環境を整えることが可能です。

ノイズに悩まされている方は、高シールドタイプの製品を検討してください。

まとめ

アンテナ混合器は、地上波や衛星放送の信号を効率的にまとめ、快適なテレビ視聴環境を実現するために欠かせないアイテムです。

混合器を選ぶ際は、設置場所や視聴したい放送内容、安全性、ノイズ対策などを考慮することが重要です。適切な混合器を選ぶことで、配線がスッキリし、安定した映像を楽しむことができます。

自分で設置するのが難しいと感じる方は、専門業者への依頼も検討しましょう。また、アンテナが高い位置にあったり、設置場所が不安定だったりする場合は作業に危険がともないます。専門業者に任せて安全に設置するのがおすすめです。