この記事を要約すると...
テレビ画面が乱れる、映像が途切れる、特定のチャンネルだけ映らなくなるなどの経験はありませんか。このようなテレビの不調には、アンテナレベルが関係していることがあります。 アンテナレベルとは、地上デジタル放送やBS/CS放送の受信電波の強さを現わす指標です。この値が正常範囲から外れるとテレビ映りが悪くなるため、基準値を維持することが大切です。 今回は、アンテナレベルの目安や確認方法、原因別の対処法について解説します。
アンテナレベルの目安
アンテナレベルの目安は、地上デジタル放送やBS/CS放送によって決められています。テレビのメーカーによって数値が異なるため、対象の機種のものを参考にしましょう。
加えて、同メーカーであっても機種や製造年によってアンテナレベルが異なるケースがあるため、しっかりとチェックしておくことをおすすめします。メーカーごとの目安は下記の通りです。
メーカー名 | アンテナレベルの目安 (地上デジタル放送の場合) |
アンテナレベルの目安 (BS/CS放送の場合) |
東芝 REGZA(レグザ) |
44以上 ※製造年により異なる |
50以上 ※製造年により異なる |
パナソニック VIERA (ビエラ) |
44以上 | 50以上 |
シャープ AQUOS(アクオス) |
60以上 | 60以上 |
ソニー BRAVIA(ブラビア) |
緑色(数値ではなく、色で判断する) | 緑色 |
日立 Wooo(ウー) |
45以上 | 24以上 ※製造年により異なる |
三菱 REAL(リアル) |
22以上 | 22以上 |
なお、アンテナレベルが基準値内である場合でも、映りが悪くなることがあります。他の原因について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
アンテナレベルの確認方法
アンテナレベルはリモコン操作で簡単に確認できます。ただし、操作方法はメーカーや機種によって異なるため、お使いの製品におけるやり方をチェックしておきましょう。
ここでは、一部商品を対象とした確認方法を紹介します。
東芝|REGZA(レグザ)の場合
1.リモコンの「スタートメニュー」ボタンを押す。
2.「設定・管理」→「放送関連の設定」→「放送設置」→「受信設定」→「地上デジタル」の順に選択し、リモコンの「決定」ボタンを押す。
3.画面に表示されたアンテナレベルを確認する。
パナソニック|VIERA (ビエラ)の場合
1.リモコンの「サブメニュー」ボタンを押す。ボタンがない場合は、「便利機能」ボタンで表示する。
2.「視聴オプション」を選択し、リモコンの「決定」ボタンを押す。
3.テレビ画面に表示された「アンテナレベル」を選択し、リモコンで「決定」を押す。
シャープ|AQUOS(アクオス)の場合
1.リモコンの「ホーム」ボタンを押す。
2.ホームメニュー画面が表示されたら、「設定」→「視聴準備」→「テレビ放送設定」の順に選ぶ。
3.「アンテナ設定」を選び「決定」ボタンを押してから、「電源・受信強度表示」を選択する。
4.画面に表示された「現在地」からアンテナレベルを確認する。
ソニー|BRAVIA(ブラビア)の場合
1.リモコンの「ホーム」ボタンを押す。
2.「設定」または「設定/その他」を選択し、「決定」ボタンを押す。
3.「詳細設定」→「放送受信設定」を選択し、「決定」ボタンを押す。
4.「地上デジタルアンテナレベル」もしくは「BS/CSデジタルアンテナレベル」を選択し、「決定」ボタンを押す。
5.青いバーが緑の範囲内になっているか確認する。
日立|Wooo(ウー)の場合
【Wooo08シリーズの場合】
1.リモコンの「メニュー」ボタンを押す。
2.「各種設定」→「決定」ボタンを押す。
3.「初期設定」→「決定」ボタンを押す。
4.「受信設定」→「決定」ボタンを押す。
5.「受信設定(地上デジタル)」を選択し、「決定」ボタンを押す。
6.「CH合わせ(地域名)」を選択し、「決定」ボタンを押す。
三菱|REAL(リアル)の場合
1.リモコンの「メニュー」ボタンを押す。
2.「設定」を選択し、「決定」ボタンを押す。
3.「初期設定」を選択し、「決定」ボタンを押す。
4.「放送設置設定」を選択し、「決定」ボタンを押す。
5.「受信設定(地上デジタル)」を選択し、「決定」ボタンを押す。
【原因別】アンテナレベルが低すぎる場合の対処法
アンテナレベルが低くなる理由は、ケーブルの接続不良や電波不足など多岐にわたります。ここでは、アンテナレベルが低すぎる場合の原因と対処法を解説します。
低すぎる原因1|ケーブルがうまく接続されていない
アンテナケーブルの接続不良が発生している場合、アンテナレベルが低下することがあります。これは、電波の通り道が遮断されてしまい、テレビまで信号を届けることが難しくなるためです。
また、地デジ用のケーブルをBS/CS放送の端子につないでいる場合も同様であるため、接続端子と同じ種類のケーブルを選ぶ必要があります。
また、接続時に配線の緩みがないかチェックすることも大切です。
低すぎる原因2|アンテナの向きがずれた
大雨や強風などによりアンテナの向きがずれると、電波をキャッチしづらくなります。特に、テレビアンテナは数mm単位で角度調整を行うため、方向が少しずれただけでもテレビの映りが悪くなるのです。
アンテナの角度を調節する際は、下記を参考にしてください。
・地デジアンテナ:1番近い電波塔にアンテナの向きを合わせる。
・BS/CSアンテナ:衛星の方向に角度を調整する。
ただし上述の通り、アンテナを正しい位置に合わせるためには微調整が必要であり、繊細な作業をともないます。自力での改善が難しい場合は、専門業者へ依頼すると安心です。
低すぎる原因3|電波が不足している
テレビに届くはずの電波が不足すると、アンテナレベルが低下しやすくなります。これは部屋の模様替えでテレビの位置を変更し、アンテナとの距離が遠くなってしまった場合や、延長ケーブルを取り付けた場合などに起こりやすいです。
電波が弱いときは、受信強度が高いアンテナへの交換を検討するか、受信電波を増幅するブースターを設置することをおすすめします。
低すぎる原因4|外部環境の影響を受けている
アンテナレベルが低いときは、自宅付近に電波を遮るものがないか確認しましょう。例えば、近隣に高い木や高層ビルなどがあると、電波の受信状況が悪くなることがあります。
障害物の影響が懸念される場合は、周辺住民にテレビの映り具合を確認してみてください。地域の方が同じような悩みを抱えている場合は、各自治体もしくは地域の受信環境クリーン協議会などへ相談しましょう。
ほかにも、台風や大雨などの影響で一時的に電波状況が悪化することもありますが、多くの場合天気が回復すれば元通りになります。
低すぎる原因5|受信できる電波が弱い
「テレビの電波塔が遠くにある」「山間地域に住んでいる」など、住んでいるエリアの電波が弱い場合も、アンテナレベルが低くなります。
平常時で電波が弱い場所では、アンテナの向きや障害物の問題といった外部要因を改善しても、根本的な解決にはなりません。そのため、電波強度を強めるアンテナやブースターの導入を検討しましょう。地域のケーブルテレビがあれば契約してみるのもひとつの手です。
低すぎる原因6|アンテナやケーブルなどが壊れている
上述した方法を試してもアンテナレベルが戻らないときは、アンテナやケーブルなどの外部機器が劣化または故障していることが考えられます。
屋外のアンテナは大雨や強風などにさらされる頻度が高いため、その分損傷もしやすいのが特徴です。アンテナの寿命は10~15年ほどといわれていますが、環境によっては劣化する時期が早まることもあります。
アンテナレベルが高すぎる場合は?
アンテナレベルは高ければ高いほど良いというものではありません。基準値よりも上回ってしまうと電波の質が低下し、受信障害が生じてしまうため注意が必要です。
なお、アンテナレベルは自宅近くに電波塔がある場合に高くなりやすい傾向があります。
ここでは、アンテナレベルが高すぎる場合の対処法を2つ紹介します。
ブースターを調節する
ブースターとは、受信状況を安定させるために電波を増幅させる機器のことで、電波が強い地域では本来必要のない製品です。したがって、十分な受信環境があるにもかかわらず設置していると、電波が強化されて正常値を超えてしまうことがあるのです。
そのため、電波強度に問題がない場合は、ブースターを取り外すことで状態の改善が見込めます。
また、ブースターはうまく調節できていないと正常に働かないため、設置するときは取扱説明書をよく確認し、適切なレベルに設定しましょう。
アッテネーターを導入する
アッテネーターとは、強すぎる電波を減らして適正値へ近づける機器のことです。ブースターを設置していないのにもかかわらずアンテナレベルが極端に高い場合は、この機器を導入することで電波強度を調節できます。
アンテナレベルが改善されない場合は専門業者に相談しよう
簡単な問題であれば専門業者に頼む必要はありませんが、高所での作業や細かい調節が必要なケースは自力での対処は難しいのが現実です。
最悪の場合、高所からの転落や機器の落下などのトラブルが発生するリスクもあるため、下記のような場合は専門業者へ依頼することをおすすめします。
・関連機器の劣化や故障による交換作業
・アンテナ本体の故障対応
・アンテナの向きの調整
アンテナ工事の専門業者は数多くあるため、依頼先は慎重に決めたいものです。アンテナ工事業者の選び方について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
テレビのアンテナ工事はどこに頼む?費用相場や依頼先を選ぶポイント
まとめ
アンテナレベルに異常があると、テレビの映りが悪くなることがあります。ご自宅のテレビでアンテナレベルを確認し、それぞれの原因に合う対処法を試してみてください。また、自力ではアンテナレベルの改善が見込めないときは、専門業者への依頼を検討しましょう。
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